2022/8/13「ルッツ 海に生きる」
マルタの漁師ジェスマークは、曾祖父の代から受け継ぐ漁船ルッツを駆り、生まれたばかりの息子と妻のため日々仕事に奮闘している。しかし、ルッツの船底に水漏れが見つかり、同時に息子の発育不良が明らかとなる。
温暖化の影響もあり、不漁が続き経済的に追い込まれたジェスマークは、漁師としてはタブーの魚の闇取引に加担するようになる。
子供のために不正に手を染めるようになった主人公が、最後には漁師を廃業し、国の再雇用制度を利用し7000ユーロを手にする。
愛する仕事と船を失ったジェスマークが、悲しげな様子で、知人から借りた投げ釣の竿を海に投げ入れた場面で映画は終わる。
環境問題への警鐘や、それによって追い詰められる地方の漁師たちの困窮問題などにスポットを当てた映画だったのかなと感じた。
静かで淡々と描かれる映画だが、父親の身に感情移入し、最後まで身を入れて鑑賞することができた。
2022/7/31「ショーシャンクの空に」
言わずと知れた名作だが、行きつけの映画館で再上映されていたものを鑑賞した。
劇中で刑務所長の賄賂や裏金などの会計係として隷属を命じられた主人公が、囚人仲間に言った一言「選択肢は二つ。懸命に生きるか、懸命に死ぬかのみだ」というセリフが、非常に印象に残った。
囚人仲間のレッドが「希望は正気を失わせる」というのに対し、主人公は「希望は誰にも奪われない」と信じ、20年掛けて壁に穴を掘り脱獄に成功する姿に感動するが、常人ならその間にとっくに正気を失ってしまうだろうと思えた。
2022/7/31「君を想い、バスに乗る」
妻を亡くした高齢のイギリス人男性が、かつて妻と巡った思い出の土地をバスで巡り、その中で出会った道連れの人々との交流を描いた作品。
男性が行く先々で積み重ねた善行がSNSなどを通じてバズり、「バスで旅をする老人」として話題となりテレビで取り上げられ、目的地に到着する頃には有名人として出迎えられる。
外国人にありがちな、他人や自分が何か善いことをすると、外部に広く発信して皆で賞賛するという流れが自分には少し大袈裟だと感じられていたので、この映画を観た時も少し似たような感覚を抱いた。